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CASE 05 色
景観を考える
小豆島の産業として歴史ある石の文化。その石が持っている色。そこに住む人の個性をつくってきた色。地形だけでなく土地の色もまた人つくる重要な要素だ。その土地にある資源でその土地に存在する色を探る作業 - 例えば草木染めのような - は、独特の深みを持つローカルカラーをつくり出す。
制作
井上 真彦(設計)
小豆島の景観
浜辺の石ころ
石ころのパレット
冬の小豆島で色について探し回って見つけたのは、浜辺のカラフルな石ころたち。五つの海岸で無作為に拾い上げた石ころを、ヤスリで削って色別に並べると、天然顔料のパレットができあがった。堆積・隆起・侵食の繰り返しと重なりが島の色をつくりあげる。
石ころのパレット
石ころのカラーアルバム
小豆島の五つの海岸で拾った石ころの色に基づいた98色のカラーアルバム。石ころをヤスリで削って作った顔料の色をもとに、絵の具を調色して色あわせをすることで、石から色だけを抽出した。潮の香りの98色。さて、どの色を何に使おうか。
COLOR ALBUM of STONES in Shodoshima
顔料の色を基準に、絵の具を調色した。色だけが抽出された石のカラーアルバム。
COLOR ALBUM of STONES in Shodoshima
COLOR ALBUM of STONES in Shodoshima
COLOR ALBUM of STONES in Shodoshima
COLOR ALBUM of STONES in Shodoshima
Stone Color Paint
小豆島の海岸で拾った石の色に基づいたオリジナル水性塗料。量販店に売られている既成の塗料が、島の風景に違和感を生んでいる場面を何度も目にした。自然素材を使えない場面でも島に溶け込んでくれる色の提案である。春会期には、五つの海岸で無造作に採集した石ころをヤスリで削って顔料を制作し、夏会期には、顔料の色を基に絵の具を調色してカラーアルバムにまとめた。海岸の石ころたちは時と共に削られ、砂となって堆積し、またいつしか隆起して島の風景をつくる。そんな長い時間の一部である石から生まれたこれらの色は、島の風景や、人々の記憶を壊すことなく、更新していってくれることだろう。
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